モルモット好きのみなさん、こんにちは!セネきちです。
今までモルモットの飼育に関するお話をいくつかさせていただきましたが、今回はモルモットを「販売する」方に向けたお話をさせていただこうと思います。

もちろん「お客様」の立場になる方もぜひ見ていってくださいね。
ペットショップの裏のことが少しだけ分かるかも?!
モルモットのおススメの展示方法から販売時の注意点、購入されていった後起こりやすいトラブル、クレーム対応など細かくみていきましょう!
モルモットという動物

私たちのようなペットショップ関係の人間はモルモットのことをよく知っていますが、なじみ深い動物だし、みんなよく知っているだろう!という思い込みは危険です。
まず初めにお客様から見たら、モルモットとはどういう動物なのか?をまず考える必要があります。
モルモットに初めて出会う人の反応
モルモットに全くなじみのない人って実は多いです。今は学校で飼育しているところは少ないですし、ふれあい動物園だって入らない人は全く入りません。
そんな人がモルモットを見た場合、まず浮かぶのは、かわいい、とか飼いたい、よりも、ネズミ、実験動物、というイメージが浮かぶことが多いようです。

ペットショップで実験しているわけでもないのに、かわいそうだね、と言って去っていく人を見たこともあります。

なんという勘違い!
そういったネガティブなイメージを取り除くために、モルモットの売り場は明るく、かわいらしく作るのがおススメです。飼育に関するポップも大きく展示し、飼育グッズも並べて「モルモットはペットとして家でかわいがることができる」ということをアピールしていきましょう。
モルモットが好きで既に飼育している人の反応
もちろんモルモットが好きで、飼っている人、今から飼いたい人も来ますね。
そういった方は既にポジティブなイメージを持っていますが、だからこそモルモットがかわいそうな状態を見せることのないようにしましょう。モルモットはすぐケージが汚れるので、常に清潔にしておき、「モルモットを大事にしている」ことが伝わるようにしましょう。
また、モルモットは大きくなるのが早いので、あまり大きなコばかりがたくさんいると、飼育経験のある人はなんとなく「売れ残り感」を感じます・・・
生後2か月を過ぎてきたあたりから価格を下げてでも早く飼い主さんをみつけていきましょう。
モルモットを展示するまでの注意点
次に、モルモットを店頭に展示するまでの流れと注意点をお話いたします。

自信をもって健康なコを販売するためには、入荷したモルモットをただぽいっとケージに入れるだけではダメなんです!
入荷したらすること
かわいいモルモットたちが到着したら、何はともかく健康チェックです。
・下痢はないか
・ケガをしていないか(輸送中ケガをすることがあります)
・皮膚病の疑いはないか(耳がかさついていたり、毛がはげていないか)
特にモルモットで大事なのは皮膚病の疑いがないかみておくことです。問屋から持ち込んでしまい、ペットショップ内の生き物に感染してしまう例は多いです。
もし怪しいな?というコがいたらすぐ隔離して動物病院に連れて行きましょう。すぐ治療すれば治りが早く、他のコにもうつるリスクが減らせます。
モルモットの展示方法
健康の確認が済んだら、いよいよ店頭デビューです。
モルモットはケージが汚れやすいので、常に人の目が届くところに置き、できれば毎日床材を交換しましょう。
ケージはウサギ用の底網のついたものではなく、衣装ケースのような大きなケースの底にペットシーツを敷き、その上に木のチップをたっぷり敷くのがおススメです。
もしモルモットがシーツを引き出してしまうようなら、ホームセンターなどでバーベキュー用の網などを探し、ペットシーツの上に網を置いてその上に木のチップを敷くと多少防ぐことができます。
可能であればオスメス別に展示を。
モルモットは小さいうちは性別が判別しにくいのですが、もし分かるようであれば別々にケージに入れて置いたほうが良いです。モルモットは繁殖可能になるまでがとても早く、生後2か月頃にはもう妊娠が可能です。
妊娠した状態で販売してしまうと大変なことになるので、性別が分かった時点で分けるようにしましょう。
ケージには必ず価格、生年月日が分かるものを。
ケージにモルモットを入れたら、手書きでもなんでもいいのでポップをつくり、モルモットの簡単な説明と価格、生年月日、出生地など、分かるだけの情報を記載しましょう。
特にモルモットのように成長の早い動物は生年月日が重要です。
価格設定は、人気のある単色(黒、白、クリーム色など)、巻き毛は高く、人気のあまり無い3色以上の混色、アルビノは少し安めに設定するのがおススメです。
モルモットの餌
モルモットは食欲旺盛です。チモシー牧草食べ放題にペレット、というのが餌のスタイルですが、量を守っていれてもおそらく餌はすぐ空っぽになってしまうでしょう。
餌の皿が空っぽだと、それだけで「かわいそう」だと思う人も多いです。
しかし常に餌を入れ続けるわけにはいきませんので、可能ならば1日2~3回に分けて餌を入れ、ケージに餌の時間や量について書いておきましょう。そうすることで、店員自身が量を把握して入れているんだな、というアピールになります。

ちなみに水に関しては常に空にならないように設置するようにしましょう
モルモットを販売する時の注意点
モルモットを店頭に展示し始めると、ベビーなら早い段階で興味を持つ人が出てきます。
でも、もし入荷したばかりであれば、できれば2~3日様子を見てから販売するのが安心です。モルモットは他の小動物に比べてベビーでもかなり丈夫ですが、たまに移動のストレスで入荷後に亡くなるコもいるためです。
販売する時に確認すること①
さて、モルモットの状態も良ければどんどん販売できるのですが、元気だからと言ってそのまま何の確認もせずにお客様にわたしてはいけません。
後々のトラブルを防ぐためにも、モルモットを触りながら、ちゃんと一緒に健康チェックすることが大事です。
・下痢や目やには出ていないか?
・手足の指はそろっているか?
・皮膚病のおそれはないか?
・痩せすぎていないか?
これくらいは最低限確認しておきましょう。また、大きめのコなら性別も見ておくとよいでしょう。

そんなことないだろ~と思っていても、購入後産まれてしまったケースはとても多いのです。
販売時に確認すること②

studiographicさんによる写真ACからの写真
モルモットの状態が良いことをお客様と共に確認ができたら、いよいよ受け渡しですが、「良いペットショップ」であるならば、もう少し確認しておくこと、伝えておくことがあります。
お迎え後1週間はケージから出して遊ばないこと
モルモットは臆病な動物です。ペットショップを出れば、そこは臭いも音も温度も違う未知の場所。
まずはモルモットが環境に慣れるまでだっこしたり、ケージから出して部屋に放すことはしないように伝えておきましょう。特に小さな子供がいる家庭では、ケージ周りで騒ぐのも控えてもらうようにしなくてはなりません。
ケージ内の掃除が必要であれば最低限にし、1週間は餌と水を交換するだけにしましょう。
モルモットはじっくり時間をかければよく慣れる動物です。
最初の1週間はとても大切です。
モルモットの飼い方を知っているかどうかさりげなく聞く
経験豊富な人もいますので、あくまでも失礼でない程度に、ですが、たまに全くモルモットのことを知らずに購入して後から返品を申し出てくる人もいますので、飼い方を知っているかどうかは確認しておきたいものです。

もうケージは準備万端ですか~?!と明るく聞いてみる感じで!
ショップで与えていた餌を紹介する
丈夫なモルモットですが、環境の変化で餌を食べなくなることがあります。できれば最初はショップで与えていた餌を使ってほしいので、初めての飼育の人には同じものを購入してもらい、経験者で家に既に餌がある人には説明だけでもしておきましょう。
季節に応じて一言付け加える
真夏、真冬は特に重要なのですが、ペットショップは温度管理がされているため、お客様の家までの移動の間、そして家に着いてから温度管理がされていないと、あっという間に体調を崩します。
冬は暖房器具(ペットヒーター)夏はエアコン、これは一言伝えておきましょう。
モルモットは学校や動物園で外で飼われていることもあることから、まさかモルモットにヒーター、エアコンなんて!と思っている人がとても多いです。
温度変化は、いくら飼い主がベテランでも、耐えるのはモルモット自身です。もし真夏、真冬なのに対応を渋られるようであれば販売をやめておくのも手です。
最低でもこれらのことはお客様に確認するようにしまよう。

飼い方を簡単に載せたものを作ってわたしておく、というのも安心ですね
モルモットを販売した後起こりやすいトラブル
無事にモルモットを送り出して、さあ安心。・・・となれば良いのですが、時々販売した後にトラブルが発生することがあります。
ペットショップの仕事は販売したらあとは知りません、ではダメです。最低限のアフターフォローは必要です。
モルモットが妊娠していた!

a********************mさんによる写真ACからの写真
何度もお話していますが、これは一番よく起こるトラブルです。
モルモットは妊娠期間が2か月くらいあるので、忘れた頃に連絡がくるパターンが多いです。
無事に産まれていればまだ安心なのですが、モルモットは難産になることも多いため、既に産まれているのか?お腹が大きくて産まれそうなのか?まずはどんな状況かを聞きましょう。
モルモットが妊娠していた 対応
この場合の対応なのですが、事前にモルモットに妊娠の可能性があることを伝えていなかった場合はペットショップ側に非がありますので、子供を引き取る、いったん親ごと預かる、などの対応が必要です。
中には家で産まれると困る、とかもう要らない、なんて酷いことを言われることもありますが、1匹で飼うつもりだった人にとっては予測していなかったこと。基本的にお客様の望むようにするしかありません。
こういったトラブルを避けるためにも、複数のモルモットがケージにいるところから生後2か月以上のメスを販売時には妊娠の可能性を伝えるのが大切なのです。
前もって知っているのと知らないのとではお客様の反応も全く違うものです。
モルモットの足が動かなくなった!
飼い方でも説明させていただきましたが、モルモットはビタミンCを自分で作りだすことができない動物です。
なので餌に+して必ずビタミンのサプリメントを与えなくてはなりません。
しかしモルモットを初めて飼育する人の場合、サプリメント=別に与えなくても良いもの?ととらえる場合があるようです。ビタミンCを与えないでいると、まず出る症状が足の動きが悪くなる、腰から引きずるように歩く、という症状です。見た目は健康に見えるだけにびっくりしてペットショップに電話をしてくる人は多いです。
モルモットの足が動かなくなった! 対応
ほとんどの場合はビタミンCを与えていないことによるビタミン欠乏症です。こういった連絡があったら、まずビタミンCサプリメントを与えていたかどうか聞きましょう。
もし与えていなければ、いますぐ与えないと死ぬ、とかではないので早めに購入して与えてもらうようにしてください。

サプリメントはどうしても餌とは違い必須なものとは思われにくいので、餌の説明をする時にビタミンがなぜ必要なのか、一緒に伝えておくと安心ですね。
まとめ
いかがでしたか?今回は販売する方向けのアドバイスのお話をさせていただきました。
モルモットを販売する時に特に重要なのは、皮膚の状態、メスの妊娠の可能性、ビタミンCです。
事前に伝えておくことで後のトラブルは大きく減らすことができますので、ペットショップ側で販売マニュアルを作成して全員がお客様への伝え漏れをなくせるようにしていきましょう!

ちなみに下記↓のページでは「悪い」ペットショップについて取り上げています。こうならないように、ペットショップ側も注意していきたいものですね
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