こんにちは、セネきちです。
今回は、ペットを飼育している方ではなく、販売する側の方に読んでいただきたい記事です。
テーマは、ハムスターです。

ペットショップでは必ずといっていいほど販売されている、ハムスターなのですが、未だにびっくりするような販売のやり方をしているところがみられます・・・
ハムスター好きさんが見れば、落胆しますし、逆にハムスターを購入していく人は、間違った飼い方を教わってお迎えしてしまうことになりますね。

今回は、ハムスターの入荷から販売後までで起きやすいトラブルや、お客様から好印象を持たれるようなアドバイスをしていきたいと思います!
・ハムスターが、売れなくて大きくなって、また売れなくて・・・負のスパイラル中(泣)
・訳アリのハムスターはどうすればいいの?
・そもそも飼い方がいまいち分からない。
・お客様からクレームがあったけどどうすればいい?
こんな悩みを解決していきましょう!
まずは知識をつけましょう!
もし、今ハムスターを販売してる立場なのに、飼い方がよく分かっていない!という方。
まず・・・何よりも先に知識を付けましょう。
本来ならば知識がなければ販売するべきではありませんが、色々な事情があってやめることができない場合もあるでしょう・・・。
知識が付いて、自分で説明ができるまでは、恥を覚悟で飼育本を忍ばせながら接客するか、もしくは何か聞かれて答えられなければ、分かりませんと素直に言いましょう。
適当に答えたり、間違った情報をお客さんに話すのは絶対にNG!です。

知識をある程度持っているお客様なら、間違ったことを言われればすぐ分かってしまいますし、そうなればショップの信頼はガタ落ちです。
必ず知っておきたい知識
ハムスターに関する知識はハムスターのカテゴリ-で公開しています。
全てを勉強してもらえるのが一番なのですが、なんせハムスターといえども情報量は多いです。
生態から飼い方、なりやすい病気に必要な飼育用品まで全て一気に覚えようとしても難しい!という方は、これだけは覚えておくようにしましょう。
・ハムスターには種類があるということ
・餌はヒマワリの種ではないということ
・ハムスターは非常に増えやすいということ
・同性でも複数飼いすると猛烈な喧嘩をするということ
・空調管理が要るということ
これらは全て、知らないとハムスターの命に関わること、また販売後にもトラブルになる原因になることです。

今からひとつずつ説明させていただきますね
ハムスターには種類があるということ
まず、一概にハムスター、といっても種類があります。
ハムスターには種類がある、ということも知らない店員もいますが、せめて写真を見てハムスターの種類が言えるくらいにはなっていてほしいものです。
種類によって、見た目や性質が違っており、注意すべき点も違います。
とりあえず何から覚えれば分からない場合は、自分のショップにいるハムスターについての知識のみ集中して学びましょう。
ショップで扱っていないハムスターに関しては、名前と、どんな姿なのかだけとりあえず覚えておきましょう。

浅田鳥獣貿易株式会社様からの画像
現在ペットとして流通しているハムスターの種類とおおまかな特徴はこのような感じです。
名前をクリックすると詳細記事リンクに飛びます。
・ゴールデンハムスター
一番大きなハムスター。慣れやすいが大きなケージが必要。
・ジャンガリアンハムスター
最も人気の高いハムスター。飼育用品も豊富で、初心者向け。
・ロボロフスキーハムスター
一番小さなハムスター。鑑賞用がおススメ。
・キャンベルハムスター
見た目はジャンガリアンハムスターに似ているが性質が異なる。
・チャイニーズハムスター
長い尻尾があり、独特の触り心地のハムスター。手に入りにくい。
これらのハムスターはそれぞれ豊富なカラーバリエーションがあり、珍しいほど値段が高くなります。

ジャンガリアンハムスターに関してはカラーバリエーションが少なく、またどのカラーも手に入りやすいので、カラー名も覚えましょう。
餌はヒマワリの種ではないということ
ハムスターの餌=ヒマワリの種 これは未だに世間に根強く残る、間違った情報です。
ヒマワリの種は確かにハムスターが好みますが、実はかなり高カロリーの「特別なおやつ」です。
毎日パラパラとあげるものではありません。
ハムスターの餌については本やネットで少しでも調べておけば、ヒマワリはNGであることがすぐ分かります。
なのでヒマワリの種がぎっしり入れられているペットショップはハムスター好きにとってはかなり印象が悪いです。

全く知識がない、と判断されても仕方がないくらいなので、餌としては絶対に使わないようにしましょう。
ハムスターは非常に増えやすいということ
ハムスターはオスとメスを一緒にすると、ネズミ算式にガンガン増える生き物です。
必ず別々のケージに入れておきましょう。
ちなみに、ほんのちょっと一緒にしただけでも交尾に至ることがあります。
お客様に販売する時も一言付け加えるようにしましょう。

ちなみにベビーが産まれても生後3週間くらいで別々のケージに入れないと、そこでまた増えます・・・安易な繁殖は避けましょう。
同性でも複数飼いすると猛烈な喧嘩をするということ
親子でハムスターを買いにくる方の中には、「一匹じゃさみしいだろうからお友達をいれなきゃね、二匹飼おう」というパターンが多いです。
セネきちも小さいころは、ペットは1匹じゃさみしいに違いない、と思っていたので、気持ちは分からなくもないのですが・・・
実はハムスターは縄張り意識の強い動物。たとえ同性であっても一緒に飼育することはできません。
※ただし、ロボロフスキーハムスターのみ、相性が良ければ複数での飼育が可能です。
詳しくはこちらに載せてありますが・・・ 本当に激しい喧嘩をしますし、共食いもします・・・!
もし・・・
どうしても二匹で買われそうなら、子供さんに向かって直球で説明するのではなく、親を説得しましょう。
今はお友達みたいに並んで寝ていますが、朝になると隣のコだけ食べられていて半分になってた・・・なんてよくある話ですよ・・・。
・・・とあくまでも子供には聞こえないよう、こっそりと。
空調管理が要るということ
ハムスターは小さなペットですが生きています、温度管理してやらないとあっという間に体調を崩します。
冬はハムスター用ヒーター、夏はエアコン。特にお迎えした初年度は必須です。

残念ながら、中には、ハムスターになんでそこまで?!と笑う人もいますが・・・冗談などではありません。
冬は床材を集めてある程度自分を守ることができるものの、毎年たくさんのハムスターが冬眠状態になり、亡くなっているのが現状です。
夏に関しては、冬よりもずっと苦手なので、よほど涼しい地域でない限り、エアコンをつける必要があります。

ペットショップ育ちのハムスターは暑さも寒さも知りません。
特に夏、冬の販売の時には必ずお客様に一言伝えるようにしましょう。
ヒーターに関してはこちらを見てみてくださいね。
ヒーターって電気代はどうなの?
ヒーターを使わないとどうなるの?
・・・といった疑問を解決できますよ!
飼育用品を覚えましょう
ハムスターは小さくて値段も安いですが、飼育用品は数が多めです。
覚えきれない場合は、ハムスターの飼育セットを売り場に用意しておいて、見ながら説明できるようにしておきましょう。
ハムスターの飼育に必要なものはこちらで紹介しています。
ハムスターを一匹飼うために必要な物と値段が分かりますよ!

ハムスターを飼うのにいくらかかりますか?という質問は非常に多いので、パッと答えられるようにしておきたいですね。
オスメスの判別方法を知りましょう
ハムスターのオスメスの見分け方はこのような感じです。
イラストで見ると分かりやすいですが、実際はもっと分かりにくいです。
ペットショップではベビーを扱うことが多いので、体も成熟していませんし、最初は保定して確認するのも難しいです。
オス、メスの判別は本来100%見分けられなくてはならないのですが、ベビーも含めて正確に判別できるようになるためには、かなりハムスターを扱い慣れていなくてはなりません。
もし、確実に見分けることができる者がいないのであれば、オス、メスの判別は100%合っているわけではないことをどこかに記載しておくか、お客様に説明しましょう。

分からなくて適当に言ってしまうことが一番良くありません。トラブルのもとなのです。
優しく触りましょう
ハムスターは小さいですが素早く、そして体が柔らかいので持ちにくいです。

普段からある程度扱い慣れていないと、いざ販売する、となった時に上手く持つことができず、落としてしまってケガをさせたり、お客様の不安を煽ることになります。
最初は上手く触れなくても仕方がありません。
両手ですくうように持ち、低い位置でお客さんに見せたり、箱に入れてやるようにしましょう。
捕まえられないからといって追い回したり、追い詰めて潰すように持ち上げるのはNGです!
ハムスターの売り場をつくりましょう
ハムスターのことが分かってきたら、売り場づくりをしましょう。
入荷してからだとバタバタしますので、先にやっておくのがポイントですよ!
既にできあがっちゃってる・・・という場合は取り入れられそうな部分だけでも実行してみてくださいね。
展示用飼育ケージの選び方
ハムスターを入れて展示するケージはとても重要です。
どのようなケージがいいのか、というと・・・まずは
・掃除がしやすい
・ハムスターがよく見える
・脱走されない
これが一番大事なのですが、もし店員さんの目が届きにくい位置にハムスター売り場がある場合は
・カギのかかるケージ
これも重要です。
なぜか、というと、カギの無いケージや、誰でも開けられるケージというのはハムスターの盗難にあうためです。
特にジャンガリアンハムスターは性質が大人しく、小さいため、慣れていれば1分もせずに盗むことができてしまいます。

悲しいことですが、カギの無いケージからの盗難はよくあることです。後で悔しい思いをしないように対策をとっていきましょう。
具体的にどんなケージが良いのか、というと、「小動物 什器(じゅうき)」で検索すると色々出てきます。
水槽のようなタイプで鍵付きの大型ケージです。
ちなみに普通に自宅で飼育するようなスタイルをとりたい場合は、こちらを参考にケージを選んでみてください。
カギを付けるのは困難ですが、お客様が家での飼育をイメージしやすいというメリットはあります。
床材、その他飼育用品について
ケージを用意したら、床材を敷きましょう。
床材は圧縮タイプのチップが一番おススメです。
置き場所をとらず、見た目が綺麗で一番コストがかからずに済みます。
もちろん、ハムスターと飼い主さんの体のことを考えて紙にしても構いませんよ!
床材に関してはこちらで詳しく説明させていただいております↓
次に、ハウスや回し車など、他の飼育用品はケージが広ければ置いても良いですが、狭くなるようなら、なくても構いません。
そして、もしハウスを入れるなら、底の無いタイプを選んでください。

ハムスターは夜行性なので、日中はみんなハウスに隠れてしまいます。
底の無いハウスなら無理やり中から引っ張り出す必要がなく、持ち上げるだけで全て出すことができます。
ポップや掲示物を用意しましょう
ハムスターのケージをセッティングしたら、ポップ(ケージに貼るプライスカードなど)を用意しましょう。
最低限これらのポップがあるとお客さんが困りません。
・ハムスターの種類、生年月日、価格が書かれたもの
(名前はあるけど、価格が書いていない、生年月日も分からない・・・となると困ります。)
・ハムスターを見たい方は〇〇まで の案内
(ハムスターの売り場に誰もいなくて、ハムスターを見たくても、一体誰に言えばいいのか分からないショップが多いです。お客様が勝手にケージを開けてしまう原因になるので案内は付けておいたほうが良いでしょう。)

あとは簡単な飼い方やよくある質問、注意すべきことを書いた紙などを置いておくと、お客様が利用しやすくなりますよ。
飼育用品セットも置いておくと◎
もしハムスターの売り場にスペースの余裕があれば、飼育に使うものをセットで置いておくと、説明するのにも分かりやすいですし、お客様が自分自身で商品を選ぶことができるので、店員が時間をとられてしまうことが減ります。
ハムスターを初めて飼う人は、つい小さめのケージを選んでしまいがちなのですが、本来の飼育に適したサイズのケージを置いておくことで、同じようなものを揃えてもらえる可能性が高まります。

ちなみに飼育用品のセットは展示しなくても、オススメする商品はどの店員さんでも同じ物になるように相談しておきましょう。人によって違うのではおかしいですからね。
ハムスターを仕入れましょう
ハムスターの仕入れに関しては、店舗の中でも全員がやるわけではありませんが、一応アドバイスをしておきますね。
やみくもにハムスターを仕入れても、売れなくなればあっという間に大きくなってしまい、大きければまた売れません。よく考えて、店舗の規模に合ったハムスターを選ぶことが大切です。
仕入れ先の選び方

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仕入れ先がもしいくつか選べるのであれば、一度すべての仕入れ先から少数のハムスターを仕入れてみましょう。
値段が安くていい!と思ったら大人サイズだった、とか逆にあまりに小さすぎた、といったことがあります。
産地はできれば国産が良いです。
経験上ですが、中国からのハムスターは安い代わりに片目が無かったり、奇形であったりする場合が多かったです。
ハムスターの選び方
さて、次はどんな種類のハムスターを仕入れたらいいのか?というお話です。

店舗のタイプ別に説明させていただきますね
小動物メインの専門店
エキゾチックアニマルに強く、ちょっと変わった動物でも売れて行くような店舗では、どんな種類、どんなカラーでもチャレンジして大丈夫です。
数千円クラスのハムスターでも売れる可能性は大いにありますし、大きくなってしまったコでもお迎えしてくださる方は多いです。
犬猫メインのショップで小動物は数種類しか扱いのない店舗
ハムスターを扱ってはいるけど、専門ではないならば、ゴールデンハムスター、ジャンガリアンハムスターなど知名度が高く、人に慣れやすい種類を置きましょう。
最もポピュラーな種類なので勉強しやすいですし、ある程度最初からでも触ることができるので、お世話もしやすいです。
ホームセンターの一角など、ごく限られた場所のみで販売している場合
こういった場合はジャンガリアンハムスターがおススメです。
ゴールデンハムスターほど場所をとらず、カラーバリエーションも4種類ほどあるので、選ぶ楽しみもあります。飼育用品も最も豊富に販売されているハムスターなので、飼育セットをつくっておいて、一緒に購入してもらいやすいのもポイントです。

これはあくまでおススメの販売方法です。どれか1種類に特化しているショップなどは遠方からもハムスター好きがまりますので、ハムスターをきわめていきたい場合は特化型もよいでしょう。
売れやすいハムスター、売れにくいハムスター
ハムスターはどの種類もかわいいのですが、どうしても売れやすいハムスター、売れにくいハムスターというものがでてきてしまいます・・・。
あくまでも一例にすぎませんが、参考までに。
売れやすいハムスター
・ジャンガリアンハムスター ブルーサファイア
価格が安く、見た目も淡い感じでジャンガリアンハムスターの中でも人気があります。大きくなっても黒が出にくく、キレイな色が続くので、売れ残りにくいです。
・キンクマハムスター
ゴールデンハムスターの色変わりで、全身きなこ色です。小さなクマさんのようで人気があります。
・とにかく小さなハムスター
種類はなんであれ、できるだけ小さいほうが人気があります。
ただし、ベビーはとても不安定。小さくて大人しいのは餌をあまり食べれていなくて弱っているだけ、ということも。環境の変化で体調を崩しやすく、実はあまりおススメできません・・・。
売れにくいハムスター
・目の赤いハムスター
あまり手にはいるものではありませんが、主にキャンベルハムスターという種類に多いです。
赤目は好みが大きく分かれるのですが、「怖い」との理由で避けられがちです。
・大きいハムスター
悲しいことに、ハムスターはべつにアダルトでもないのに、他のコより少し大きいだけで人気が落ちてしまうんです。
でも誕生日が1週間違うだけでかなり印象が変わってきますし、誕生日が一緒でもよく食べるコは体がしっかりしていいるだけなので、実際は何の問題もありません。
また、ジャンガリアンハムスターのイエロープティングはべビ-の時は黄色がくっきりしていてとても綺麗なのですが、もともと太りやすい体質のため、2週間も経てばあっという間にモチモチとした見た目になり、色も薄くなってしまいます。
小さなショップでは多く仕入れすぎないようにしたほうが良いでしょう。

全ての種類で、同じ誕生日でも大きめのコは残りやすいですが、それは餌をしっかり食べている証拠。初めて飼育する人にはあえて大きめのコを選んでもらうと安心ですよ!
入荷したらすること
さて、次は、ハムスターが入荷したら、どうするかを説明させていただきますね。

入荷して、よく見もせずにポイッとケージに入れて、さぁ販売!はNGですよ!
体のチェックはその日のうちに!
ハムスターが届いたら、早めに健康チェックをしましょう。
仕入れ先によっては、死んでしまっていたり、下痢をしている生体がいた場合になんかしらかの対策をとってくれるところもあります。
見るところは、目や手、足が問題ないか、下痢がないか、です。
特にゴールデンハムスターのベビーはウエットテイルと呼ばれる、致死率の高い病気にかかりやすいです。
この病気は感染力も強いので、完全に隔離しなくてはならなくなるため、しっかり見るようにしましょう。
オスメスは確実に分けましょう。
先ほども説明させていただきましたが、ベビーだから、といってオスメス一緒にケージに入れることは避けましょう。
本当にびっくりするくらい早く妊娠に至ります。
よくあるのが、ショップで妊娠、お客様宅で産まれてしまった、というパターンです。
そうなると場合によってはかなりモメることになるので、最初から気を付けておきたいものです。

ちなみに生体問屋から来た状態で既にオス、メスが間違っている場合もあります。触れる状態のハムスターなら、入荷したらまず確認!をおススメします。
ハムスターの名称は正しく記載しましょう。
細かい話になりますが、ハムスターが入荷したら、販売用カードに名称を正しく記載することも大切です。

分かりづらいと思うので、良くない例を挙げますね。
・とりあえず・・・なんでも「ドワーフハムスター」表記
ドワーフハムスターとは小さなハムスターを指すため、ゴールデンハムスター系以外のハムスターがほぼ全て当てはまります。きちんと種類の名前を記載しないと、初めて飼うお客様はそのように覚えてしまいますし、逆にハムスター飼育経験者から見ると、正直、失笑ものです。
もしカラーの名称が分からなくても、種類名くらいは分かると思うので、正しく記載しましょう。
・「ジャンガリアンハムスター」にあり得ないカラー名をつけている
これは、結構大手のペットショップでも見られるのですが、ジャンガリアンハムスターとキャンベルハムスターの区別がついておらず、名称が混ざってしまっていることがあります。
ジャンガリアンハムスターのカラーはグレー(ノーマル)、ブルー(ブルーサファイア)、ホワイト(パールホワイト)、イエロー(プティング)のみです。
※アルビノは市場に出回ることはまずないです。
それ以外のパープル、シナモン、アルビノ、パイド、ブラックなどのカラーはキャンベルハムスターか、ハイブリッドになります。
キャンベルハムスター自体、知らない人が多いのですが、キャンベルが好きな方が見た場合、突っ込まれる可能性が高いです。
事前に知って置けば防ぐことができるので、キャンベルハムスターの存在くらいは勉強しておきたいですね。



名称をしっかり記載することで、ハムスター好きのお客様に一目置かれるショップになります!
そのためにも正しい知識をつけるようにしましょう!
販売開始まで少し様子をみましょう。
かわいくて小さくて、今が一番売れそうな状態!!・・・と思っても、入荷直後の販売は控えたほうが無難です。
ハムスターは小さな箱に揺られ、輸送のストレスがとても大きな状態です。
入荷直後は水分をとれているか、餌を食べているかも確認できていません。

最低でも丸一日、できれば3日ほど、お客様から見えない場所に置いておくか、販売開始日を掲示した上で店頭に展示しましょう。

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トラブルを防ぐ!販売する時のポイント
準備が整ったら、さっそく販売開始です。
お客様にハムスターを欲しい、といわれたら、まずはどのコにするか選んでもらうわけですが、その前にハムスターの飼い方を知っているか、飼育用品は持っているか聞きましょう。
もしお客様が飼い方を知らず、飼育用品も何も持っていないなら、ハムスターより先に選んでもらう必要があります。

箱に入れてしまってからだと、中のハムスターが弱ってしまったり、箱をかじって逃げてしまうことがあるためです。
一通り、説明が終わったら、ハムスターを選んでもらうわけですが、できるだけ元気が良いコをおススメしましょう。
初めて飼う人はできるだけ小さく、大人しいコを選んでしまいがちなのですが、1匹だけ小さくて大人しい、というのは餌を食べれていなくて、痩せているだけの場合もあります。
ハムスターを選んだら、健康チェックをお客様と一緒に行いましょう。
・手や足はケガがないか、目はきれいか。
・お尻はきれいか。
・性別は合っているか(これに関しては後ほど詳しく説明させていただきます)
最低これだけは一緒に確認する必要があります。

お客様と一緒にチェックすることで、後で万が一ハムスターに何かあった際に、「買ってきた時から調子が悪かったんじゃないか」というトラブルを防ぐことができます。
※ペットショップではよくあるトラブルです。
飼育説明、健康チェックすべてが終わったら、確認書に住所、名前を記入してもらいます。
店員は何を販売したかも忘れずに記入しましょう。
※動物を取り扱う業者は、生体販売時の説明・確認実施状況記録台帳を作成し、5年間保管する義務があります。
様式は環境省ホームページや各自治体のホームページからダウンロードが可能です。
最後に、ハムスターを箱に入れてやります。

この時、ケージをセッティングして中に入れてください、といわれることもありますが、よほど移動時間が長くない限り、箱で持って帰ってもらってください。
詳しくはこちらで説明させていただいておりますが、「小さくて周りが見えない箱」が一番安全な移動手段のためです。
さて、販売の流れが分かったところで、次は注意点です。
お客様に必ず伝えておくこと
ハムスターの飼い方や健康チェックはもちろんやらなければならないのですが、他にもお客様に伝えておかなくてはならないことがあります。

それは全て、購入後に起こるトラブルを事前に防ぐためのものです。
たまに、大丈夫だから!と話を聞いてくれない人や、時間の都合で伝えきれないこともあるので、今から説明させていただく内容を、ペットショップからのお願い、として用紙を作成し、販売時にお客様に必ず読んでください、と渡しておくと安心ですね。
お迎え後1週間は触らないこと
ハムスターは丈夫なイメージがあるのですが、実は環境の変化に耐えられず、購入後3日以内に亡くなるケースがあります。
特に子供のいる家庭だと、ケージを揺らしたり、中をずっと見ていたり、こっそり触ってしまいます。
先にお客様に伝えておくことで、気を付けてもらうことができるので、必ず守ってもらうようにしましょう。
空調管理をしなければならないこと
ハムスターを販売する時期が夏や冬であれば、必ず必要なのが空調管理です。
一日中温度が変わらないペット専用の部屋がある場合を除き、冬はペットヒーター、夏は人間用のエアコンをかけてやる必要があります。

そんなの昔は使わなかったよ!とか、ホッカイロ、保冷材でなんとかする!という方もいますが、大丈夫かどうかはなんとも言えませんので、上手く説得してみましょう。
そんなの昔は使わなかった→ハムスターが自宅で産まれ育った個体であれば要らない場合もありますが、ペットショップで育ったハムスターは暑さも寒さも未体験です。
ホッカイロ、保冷材でなんとかする→ハムスター用ヒーターは電気代がとても安いので、毎日ホッカイロを使うより、コストが安く済むし、ゴミも出ない、手間もかからず確実です。
また、保冷材は溶けるのが早く、湿気も高くなります。日本の真夏の暑さには不十分です。

ハムスターにお金、まして電気代までかけたくない、という人は本来、お迎えすべきではないのですが、店員の説明次第で考えを正してくれる方も多いです。
夏や冬は、なぜ空調管理が要るのか、ポップに書いて貼っておいてもよいですね。
さて、次はショップ側が注意することです。
良い印象のペットショップであるために、ぜひ頭にいれておいてほしいことです。
たかがハムスター、とないがしろにしないこと
たくさんペットを扱っているショップ、特に数十万クラスの生体が売れるショップでは、休日はたくさんの人で賑わい、店員は大忙しになります。
そんな時、決してハムスターを見たい、欲しいというお客様をないがしろにしないようにしましょう。

ショップによっては、値段が安いペットの接客は適当で、高額の生体の接客はとても丁寧、というところがありますが、それは印象が悪いですし、実はショップにとっても損です。
個人的な経験ですが・・・
ハムスターを一匹だけ買っていった方が、実は自宅でたくさんペットを飼っている方で、接客がとても気に行ったので、行きつけのお店を替えたよ、という嬉しい言葉をいただいたことがあります。
逆に、高額の生体をポン、と買っていった方が、トラブルメーカーだったことも。
人を見た目で判断しない、と同じような感じです。

どの生き物も平等に、丁寧に説明してお迎えしてもらうことは必ずペットショップにとってプラスになりますよ!
子供が購入する場合でも説明は親にもすること
夏休みやお正月などは子供が親や祖父母とハムスターを買いに来る光景がよくみられます。
すると、たまにあるのがこんな場面。
「孫がハムスターを欲しいというから。私らには分からないから、孫に説明して」
「子供が自分で責任もって飼うと言ったんです、子供に全て任せます」
こんなことを言われても、このとおりに子供のみに説明、販売するのは非常によろしくありません。
ハムスターはお迎えするだけなら子供でも可能でしょうが、最初に飼育セットを用意するだけで8,000円くらい、ランニングコストは1,000円くらいかかります。
何かあれば病院だって行くし、夏はエアコンも使います。
実際は子供のみで全てやるのは無理なのが、ハムスターです。
親が話を全く聞いてくれないならば、販売は控えましょう。
あくまでも傾向ですが、そういった時販売してしまうと、後でハムスターが亡くなってしまった時などに、親のほうからクレームがつくことが多いです。
ハムスターを子供がお世話する時は親の監視下のもとで!が鉄則です。
ハムスター販売後によくあるトラブル
さて、最後になりますが、ハムスターに関する、よくあるトラブルと対策についてお話します。
たくさんハムスターを販売するようになると、同じようなトラブルが起きることが分かってきます。

今回は私がいたペットショップでとっていた対策を例としてお話させていただきます。
ショップでの対応の参考にしていただければと思います。
死んでしまった(1週間以内)
これは定期的に起こることです。
ちょっと心配だな・・・というお客様には念を押して説明することで、クレームとして連絡が来ることは大幅に減らすことができます。
何も説明していなければ、「そんなこと聞いていない!」と言われてトラブルになりますので、忙しくて、多くのお客様に販売する時こそ気を付けて説明するようにしましょう。
逆に、しっかり飼育用品ひとつひとつ説明し、お客様も一生懸命聞いてくれて、大事に連れて帰ったのに次の日死んでしまった・・・というパターン。
お互い悲しい思いをします。
私がいたショップで行っていた対策は、「ハムスター保険」です。
ショップ独自のものですが。
説明をしっかり聞き、飼育用品を全てショップで揃えてくれた方には、お迎え後2週間程度の生体保証(亡くなってしまった場合に同じ種類のコを1匹差し上げる)というものです。
もしくは、飼育用品を既に持っているお客様には100円ほどで同じ保証を付けました。
不思議なことですが、この、やや穴だらけの保証、これを始めると死んでしまったという電話はほとんど来なくなりました。
店員の話しを聞かずにパッと買っていってしまうお客様は、保証がありますが、と持ちかけても、追加の料金を払うのが嫌なのか、大丈夫!とそのまま行ってしまい、それで何かあってもショップにクレームをつけにくくなりまし、逆に、「そんな保証があるってことは、結構死ぬことがあるってこと?!」と、適当にやるつもりだったのが、気を引き締めてお世話します、に変わった方も。
本来は生き物に返品や交換は良くありませんが、こういった対策をとることで、「ハムスターはすぐ触っても死なないだろう」「すぐ死んだら、無料で新しいハムスターをもらえるだろう」といった考えの人の考えを正すことができる場合もあります。
性別が間違っていた

浅田鳥獣貿易株式会社様からの画像
これはよくあることです。
ペットショップでオスメス間違って入ってしまっていることは時々ありますが、
販売する時に体調チェックのついでにオス、メスも最終確認する・・・これが一番確実です。
ロボロフスキーハムスター、キャンベルハムスターなど、捕まえづらく、体中を見ることが難しい種類に関してはやや難しいですが・・・それでも確認が不可能なわけではありません。
オスメスが間違っていると、色々なトラブルに繋がります。
・オスどうしだからいいだろう、と部屋に一緒に放していたら、メスだったので妊娠した(そもそも同性でも一緒にするのは良くないのですが)
・子供がメスだと思って可愛がっていたのでショックを受けている、どうしてくれるのか?
・・・こういった問い合わせが来ることがあります。
対策
私のいたペットショップでは、最終確認をせず、そのまま健康チェックのみで販売していた時は、本当に相手方の言われるままの対応をするしかありませんでした。
一匹分の料金を返してくれればいい、という簡単なものから、オスのベビーに替えてほしい、産まれた子供もメスも引き取ってほしい、といったものまで・・・

一度トラブルになって対応をする手間を考えると、多少面倒でも普段からオスメスの判別と販売時の最終確認は徹底しておいたほうがよいでしょう。
そのためにもオスメスの見分けはできるだけ早く、全員が判別できるようにしておきましょう!
1匹で飼っていたのに子供が産まれた
これは、まず原因が2つ考えられます。
1、ショップでオスメスが混ざっていた。
2、生体問屋の時点で妊娠しており、その後ショップでオスメスで分けられた。
どちらにしてもお客様に否はありませんね。
メスを1匹飼っていったのに増えてしまった、喜んでそのまま飼う方もいるのですが、ハムスターは多産な上、妊娠する月齢も早いです。同性だと激しい喧嘩をします。そのまま飼うなら、数ぶんのケージを用意することになります・・・。
対策
この場合は、まずお客様に謝罪、そして上記のことを丁寧に説明した上で、どういった対応を望むのか聞きましょう。
個人的な経験だと、全て引き取りになる場合が多かったですが、稀にこういった事案もありました。
・子供を産んだメスは要らないので、産まれた子供を1匹のみ残して、後は引き取ってほしい。
・家で飼育するので、ケージをハムスターの数だけ提供してほしい。
とても悲しいこと、困ったことなのですが、実際お客様に否が無いので、その時は要求を受け入れました。
それからショップで対策を考えたのが、「やや大きめ、もしくは入荷時にオスと混ざっていた、など妊娠の可能性が少しでもあるメス」をお迎えするお客様に対し、口頭、もしくは説明書きの用紙を手渡しし、「万が一妊娠していて、自宅で産まれてしまった場合は、ご希望があれば、産まれた子供を引き取ります。」と伝えるというものです。
基本的にペットショップにはベビーの状態で入荷するため、ペットショップに着いてから仕分けが間違っていない限りはこういったことは防ぐことができます。

妊娠していた対策を一生懸命考えるよりも、確実に店員全員がオス、メスを間違わずに見分けられるようにするのが一番の対策ですけどね。
爪を切ってほしいと言われた
これはハムスターのアフターサービスとして求められるものです。

ハムスターの爪切り、できなくもないのですが、ペットショップに持ってきてもらって店員が切るのはやめておいたほうが無難です。
知らない場所、知らない人に保定され、ハサミで爪を切られるのはかなりストレスを与える作業です。
そもそも、かなり器用でないとできないですし、ショック死する可能性もあるので、ペットショップとしてはとても責任をとれるものではなくなってきます。
あまり気になるならば動物病院でやってもらうほうが良いでしょう。
対策
ただ単に、「できません」では感じが悪いので、自宅でもできそうな対策お客様に伝えるのもおススメです。
方法としては、3つあります。
①素焼きのハウスパネルを利用して自然に消耗させる
最もおススメの方法です。テラコッタや素焼きのグッズはざらざらしていて、爪が自然に削れていきます。
ハムスターにも飼い主さんにも負担の無い方法です。
②自分で切る
大人しいコならおやつをあげながら、そーっと1本ずつウサギ用爪切り等で切ることができます。
目の粗いストッキングか洗濯ネットがあれば、それに包んで爪だけ出して切る方法もあります。
③動物病院を紹介する
小動物を見ることができる病院は限られます。
動物病院の中には、見ることしかできないのに診察動物情報にハムスターをのせているところもあります。
もしショップでお世話になっている等で、ハムスターをしっかり「診る」動物病院があれば、紹介すると喜ばれます。

対策としてはこれくらいですが、そもそもハムスターはもともと爪が尖っている動物なので、手にのせてチクチクするから、といった理由であれば、切る必要はありません。どれくらい伸びているか聞いた上でアドバイスしましょう。
まとめ

ringo_monakaさんによる写真ACからの写真
だいぶ長くなってしまいましたが、いかがでしたか?
本当はまだまだ伝えたいことがあるのですが、更に長くなってしまうので・・・また新しく記事にできたらなと思っています。
誰が見ても、気持ちの良いペットショップ、そしてハムスターにとって幸せな家族をみつけるための接客が日本中に広がることを願ってやみません。
少しでも参考になればうれしいです!
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