みなさんこんにちは!
いつもはなじみ深い生き物についてお話させていただいていますが、今回はマニアックペットシリーズ!です。
第一弾はヒメコンドルです!
コンドル・・・・・・??
あっ・・・・!
今、コンドルってこの頭のハゲた獰猛そうな鳥?!って思って引き返そうとしたそこのあなた!
ちょっと待ってください。
まずは騙されたと思って最後まで読んでいってもらえませんか。
ヒメコンドルは私の大好きな鳥なのです!!
ぜひ魅力を知っていただきたいのです!
さぁさぁ、まずはヒメコンドルってどんな鳥?っていうところから始めましょ♪
ヒメコンドルとは?
ヒメコンドルとはタカ目コンドル科ヒメコンドル属に属する鳥です。
北アメリカ大陸、南アメリカ大陸等に分布し、砂漠、森林など様々な環境で生活しています。
寿命は約50年ほどで、オスとメスのつがいができると一生添い遂げると言われています。
基本情報はこんな感じです。
でも、おそらく一般の方はせいぜい動物園で見たことがあるくらいでしょう、この鳥。
そしてその姿形を見て、あんな恐ろしそうでデカくて奇妙な鳥、可愛くもないし、飼育なんてとんでもない、と思う方がほとんどだと思います。
実際コンドルを見たお客さんはそう言って怪訝な顔をして通り過ぎる方がほとんどでした・・・
というか、私も初めてその姿を目の前にした時、仕入れてきた人間の感性を疑いました・・・
すいません・・・
だって、インコやオウム、カラフルなフィンチ、大きなお目々のフクロウやかっこいいタカがいるペットショップにはあまりにも不釣り合いだと思ったんですもの。
実際、ヒメコンドルなどのコンドルの仲間は、一応猛禽類と呼ばれるフクロウやタカが属する種類の1種ですが、フクロウ好きはいてもコンドルを好きという人はそうそういません。
しかし。
お世話をして、調教していくうちに、奇怪な鳥にしか見えなかったヒメコンドルが、インコに勝とも劣らない可愛い鳥に思えてきたのです。
今から、その魅力をじっくり説明しますね!!
特徴が多すぎる、ヒメコンドル!
さて、いつも他のペットでもやっているように、ヒメコンドルも体の特徴をじっくりみていくわけですが。
見てお分かりかと思います、ヒメコンドルは特徴だらけの鳥ですね。
どこから突っ込んでいいのやら分からないくらいの姿でしょう。
なんにも知らない人には、コンドル属は奇怪な姿で忌み嫌われがちですが、ちゃんと意味が合ってのあの姿なんですよ!
順にみていきましょう。
頭部
ヒメコンドルは、幼い頃は黒っぽい頭をしていますが、大人になると、赤くなります。
黒い毛がぽそぽそと生えていて、触ると男の人のヒゲみたいな感じです。
首をすくめていると分かりませんが、実際は頭だけではなくて、首の真ん中あたりまで赤い皮膚が見えた状態です。
ハゲタカだ!なんて言われることもありますね。
で、ここが大事なところです。
なぜ頭部に毛が無いのかというと、彼らの食性に関係があります。
彼らは野生で腐肉に頭を突っ込んで食べます。
その時頭部に毛が生えていると血や腐った肉が付き、不衛生で雑菌だらけになりますよね。
頭部は目も鼻も付いていますから大事な場所です。
毛が生えていないことで清潔に保つことができ、しかも日光で殺菌効果も期待できるのです!
なんと理にかなった頭なのでしょう!
目
自宅で飼ってでもいない限り、目をじっくり見る機会はまずありませんが、実はとてもキラキラしたかわいい目をしています。
まつげ?のように目の周りには短い毛がポツポツ生えています。
小さいながらもウルウルとしたその目はとてもかわいいですよ!
鼻
鼻はなんと左右で貫通しております・・・
これで臭いが分かるの?!と思うのですが、実は、その嗅覚は驚くばかり。
数キロ~数十キロ先の餌の臭いまで嗅ぎ分けるといわれています。
ちなみに、鼻のあたりはツヤツヤしており、触ると固いです。
ほんと、どう見ても機能しているようには見えないのですが・・・不思議ですよね・・・
クチバシ
とってもするどいクチバシに見えますが、その力は同じサイズの鳥に比べ、かなり弱いです。
本気で噛まれた場合、正直、ヒメコンドルの頭部ほどの大きさしかない、文鳥に噛まれたほうが痛いです。
でも、そこにも理由がありまして。
ヒメコンドル含め、コンドル属のは自分で狩りをせず、腐肉を食べます。
獲物を襲う必要もなく、強い力で引きちぎる必要もありません。
なので見た目の割に攻撃性の低いクチバシなのです。
羽
羽はとても大きいです。
広げれば大人一人ぶんの背丈くらいあります。
普段はたたんでいるので分かりませんが、フライト時には大きく広がり、実にかっこいい姿になります。
野生で飛んでいる姿を見てみたいものです!
飼育下では、水浴びとして、霧吹きでシュッシュしてあげたり、日光のもとで羽を干したりするのですが、この時のポーズはとてもかっこいいと思います!
脚
ヒメコンドルは他の鳥と同じく固い毛の無い脚ですが、他の鳥と大きく違う点があります。
それは「止まり木に止まるのは苦手」ということです。
ヒメコンドルは狩りを行わないため、フクロウやタカのように、獲物を掴む脚にはなっていません。
水鳥にように、ぺったりと広がるように地面に付いており、飼育の時もパーチと呼ばれる専用止まり木は用意せず、地べたに置いてやるか、大きめのファルコンブロックのほうが良いとされています。
普通、猛禽類は噛まれるより掴まれるほうがヤバイといわれるくらい、脚の力が強いですが、ヒメコンドルは脚で締めあげてくることはありません。
臭い
最後に臭いの話を・・・
コンドルだけではありませんが、猛禽類は、体は臭わないものの、排泄物はそこそこ臭く、餌も生の肉なので、お口もちょっと生臭いです。
水浴びを好みますが、浴びたら浴びたで、もともとの臭さに湿っぽさが加わるだけで特に臭いがなくなるとかではなく・・・変わりません。
これはまぁ仕方がありません。
こまめに掃除をしてあげましょう!
飼育していれば、飼い主さんはわりとすぐに慣れますよ。
おまけ・消化器官
私はずっと疑問に思っていたのですが・・・
ヒメコンドルは死肉や腐肉を食べるのに、なぜ食中毒にならないのだと思いますか?
人なら一発アウトですよね。
調べてみたのですが。それは実は長い進化の過程で、消化器官が適応していったからだそうです。
死滅させることができる菌は死滅させ、できない菌とは共存する、そんな特殊なことができるので彼らは何を食べても平気なのだそうです!
全身がスペシャルすごい鳥なんですよね
・・・じゃあ次は、性格面にいきましょう。
体だけでこんなたくさん語るなんて!
もういいよ!!
という方もいらっしゃるでしょうが、ぜひ次も読んでいってくださいね。
意外な性格?!
腐肉や死肉を食べる。コンドル。
と聞くと大概の方は不気味で狂暴そうな恐ろしげなイメージを抱くと思います。
しかし意外にも?ヒメコンドルは大人しい性格なんです!
とても神経質!
ヒメコンドルをお迎えする際、もし慣れていない個体を手に入れる場合は、しばらくはまず心を開いてくれないと思ってください。
ヒメコンドルは大変繊細な心を持ち、神経質です。
野生でも他の動物を襲わず、残された腐肉を食べるくらいですから、自分からグイグイいくタイプではありません。
私がお世話したコは、全く慣れていなかったので、最初は壁側に寄り、私の顔を見るだけで、ストレスで食べたものをゲロゲロと吐き、それはそれは酷い印象を受けました・・・
賢い!
最初は緊張しやすいタイプですが、餌をくれる人、自分に害を与えない人、という判断ができてくると、結構可愛らしく慣れてくれます。
賢いので、フライトの訓練もできるようになりますよ。
大きな翼を広げ、飼い主のもとに飛んでくる姿は圧巻です。
グローブに向かって飛んで来るのですが、体が大きいので、ズンッ!!という感じの重みが感じられます!
ヒメコンドルの飼い方
ここまで見て、ヒメコンドルに興味がわいた方もいらっしゃることでしょう。(多分)
ヒメコンドルはコンドルの中でも比較的扱い易いほうです。
ペットとしても、フライトのパートナーとしても素晴らしい存在となるでしょう。
ただし。
まだまだ、ヒメコンドルはペットの中ではかなり特異な存在です。
飼育情報、みてもらえる病院はほとんど出回っておらず、餌の確保も、そこらへんで普通に売っているわけではないので、飼い主さんが自分で通販などで取り寄せることになります。
これだけ魅力をアピールしておいてなんですが、衝動的にお迎えするのは避けましょうね。
そもそも手に入れるのも難しいですし、価格も高いので、衝動買いする人もいないでしょうけども・・・
どこで手に入れる?
まずヒメコンドルを飼うにあたって、おそらく一番の難関となるのはおそらく「入手先」。
普通のペットショップにはまずいませんし、動物園からもらうわけにもいきませんので、手に入れたい方は猛禽類や珍動物を扱う問屋やショップにいるかどうかの確認が必要です。
あとは、珍しいペットが手に入りやすい、大規模なイベントで探すのもおススメです。
ヒメコンドルがいることは稀ですが、猛禽を扱う業者が多く集まるので、情報を仕入れるのには最適です。
価格は年々上がる傾向があり、入荷した状態そのままか、フリーフライト調教済み個体かで、大きく値段が異なりますが、50万円~80万円ほどをみておきましょう。
飼育に必要なものは?
ヒメコンドルのお迎えのメドが立ったら、必要なものを準備しましょう。
といっても入手先の店員さんがおそらく一番詳しいので、必要なものも一緒に揃えられることが多いです。
これは事前に確認しましょう。
自分で勝手に用意されることが好まれないこともあります。
一応必要なものを挙げると・・・
餌
餌は肉!です。
猛禽、爬虫類用として販売されている、鶏肉、馬肉、レバー、マウスなどを与えます。
近くに専門店が無い場合は通販でも売られています。
決してスーパーの肉だけで済ませようなどと思わないように・・・栄養の面で、全然ダメです。
あとは、野生で腐肉を食べているからといって腐らせる必要はありませんのでご安心を。
専用の飼育スペース
ヒメコンドルは、大型のインコやオウムと違い、大きなケージや禽舎に入れることは推奨されません。
羽がとても大きいため、どこにもぶつからないくらいのサイズのケージを用意するとなるとかなり困難です。
できれば専用のお部屋でもあると最高だと思います。
アンクレット、ジェス、リーシュ
アンクレットは脚に直に取り付ける革製のベルトのようなもので、リーシュはパーチ(固定する場所)に繋いでおくための紐、ジェスはアンクレットとリーシュを繋ぐためのものです。
アンクレットを脚に取り付けるのは少々難しく、専用の道具が要るので最初はお迎え先で付けてもらったほうが良いでしょう。
フリーフライト訓練をするなら、ファルコングローブも購入しましょう。
ほこ(パーチ)
通常、大型の猛禽類には、このような大きなファルコンブロックやパーチ、ほこを使います。
しかし、ヒメコンドルは足のつくりが他の猛禽とは異なるため、地べた、切株、平たいコンクリートブロックなどを使っている飼育者さんもいるようです。
足元は結構汚れるので、洗って乾かせるように、2つ所有しておくと便利ですよ。
水浴び用タライ
ヒメコンドルは水浴びが好きなので、大きめの容器と霧吹きを用意してあげましょう。
容器は、ヒメコンドルの足が半分くらい浸かるものだと使いやすいです。
タライ、子供用プールでもいけますよ
健康を維持できるグッズ
猛禽類は、みてもらえる動物病院がほとんどありません。
病気にさせたらかなり危ないです。
なので、普段から健康に気を付ける必要があります。
体重計、餌に添加するビタミン剤、ロスト防止対策(脱走)などの準備が不可欠となります。
最低限これらがあれば飼育は可能です。
他にも本格的なフライトをするならば色々な道具がありますので、揃えてみると面白いでしょう。
最初が肝心!
無事にヒメコンドルが入手できたら、まずはしばらく落ち着かせましょう。
猛禽類は餌を頻繁に食べなくても平気なので、無理にすぐ与える必要はありません。
慣れていないヒメコンドルの場合、環境になれるまではじっくり時間をかけてやりましょう。
慣れてくるとこうなる!
ヒメコンドルが慣れてくるとどうなるのか?
これは飼った人ならわかりますが、あの臭くて奇怪な見た目のヒメコンドルに愛着がわき、かわいく思えてくるのです!
日常的にもこんな姿が見れるかも?
・リラックスしていると羽をたたみ、お腹を床に付けて休むようになります。
その姿はまるでニワトリ!
・餌の臭いや飼い主が準備する様子を記憶するため、かなり早い段階からそわそわし始めます。
よだれが止まらなくなってしまうことも・・・
私が世話していたコは、自分のいるスペースの窓の隙間から、ヨダレをたらしながらバックヤードを見ていましたよ。
・水浴び、日光浴が大好き。羽を広げて喜び?ます。
感情が読み取りにくいヒメコンドルですが、その嬉しそうな姿にこちらまで楽しくなってきます!
・フライトできるとかなりかっこいいです。
翼の大きさが他の猛禽類より大きいので圧巻です!
・歩く姿が愛おしい!
ヒメコンドルは餌を求めて飼い主さんのところまで歩くことがあります。
他の猛禽類は脚のつくり上、跳ねるように歩きますが、ヒメコンドルはその平たい脚を利用してよちよち歩きます。なんともいえない姿ですよ!
まとめ
いかがでしたか?
ヒメコンドルの魅力、伝わったでしょうか?!
一見醜悪なイメージをもたれがちですが、飼い主さんの根気次第では何にも代えがたい、素晴らしいパートナーになってくれるんですよ♪
気になる方は、まずは、必ず見れる、動物園がおススメです。
どんな感じかな?と観察に行ってみましょう。
大きな禽舎でのびのびと夫婦で過ごす姿なんか見てると、幸せな気持ちになってくること間違い無しですよ!
最後までよんでいただき、ありがとうございました!!
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