みなさん、こんにちは。セネきちです!
今回は鳥を飼育しているなら必ず覚えておきたい、トリコモナス症についてのお話です。
トリコモナス症はヒナから大きな鳥までかかる可能性のある怖い病気です。
いったいどのような病気で、どういった治療法があるのか?
ぜひ鳥飼いのみなさんに知っておいてほしいのです。
特に今からヒナをお迎えする予定の方にはまず読んでいただきたいお話です。
トリコモナスって何?
トリコモナス、というのは原虫の名前です。
鳥の、「そのう」より上の部分の消化器、呼吸器に、この原虫が増殖することにより、様々な症状を発症させます。
ヒトや犬などもトリコモナスの名がつく病気に罹りますが、鳥のものとはまた別です。
どんな鳥がこの病気になる?
どんな鳥でもこの病気にかかる可能性がありますが、ポピュラーな飼育鳥ですと文鳥、オカメインコでの発症が特に多いようです。
その中でもヒナの症例が多いです。
トリコモナス症になる原因は?
トリコモナス症の原因となる原虫は、多くの鳥が保有しており、その原虫が下記の条件によって増殖した際に脅威となります。
・低温
・(ヒナの場合)不十分なさし餌による栄養失調
・環境の変化によるストレス
トリコモナス症はヒナがかかることが多いのですが、見てもらうと分かる通り、トリコモナスが増殖する原因はお迎えしたばかりのヒナの状態に全てあてはまします。多更に抵抗力も無いことから症状が悪化しやすいのです。
またその他にも、他からの感染という原因もあります。
これは、既に感染している鳥によるもので、
・親鳥が感染しており、ヒナに餌をやる際に感染する。
・トリコモナス症に感染している鳥が同じ環境にいた場合、餌入れ、水入れから感染する。
・上に同じく、感染している鳥のフンを放置し、乾燥してものが空気中に舞い、感染する。
といった原因が考えられます。
どんな症状が出る?
怖い病気なんだね、どんな症状が出るんだろう?初めての飼育の人でも分かるかな??
トリコモナス症は発症から重篤な症状になるまでに、非常に様々な症状が出ます。
初めての飼育の人には分かりにくいものもありますが知っておくことで早く気づくことができます。
軽いものから順に説明させていただきます。
初期の症状
症状はごく初期の場合、このようなものがあります。
・あくびをするような仕草をする。
・餌の食べが良くない。
・首を振ったり、舌をよく動かす。
・さし餌の際、チューブや育て親等、そのう近くまで届く器具を使うとねばつく。
この頃に病院に行けば、ヒナであってもまだ体力があり、投薬と同時に餌をこまめに与えたり、保温をしっかりすることで回復の見込みは十分にあります。
中程度の症状
中程度の症状になると、誰もがあれ?と感じるような状態になります。
・口の周りがネバネバしたもので汚れる。
・明らかな食欲不振。
・吐く。
・くしゃみ、鼻水。
・変な臭いがする。
この頃になると、二次感染や、副鼻腔への広がりも起こるため、風邪をひいたような状態になることが多いです。
トリコモナス症を知らないでいると、病気に気づくのはこの頃でしょう。
すぐ病院に連れて行けば、治るかもしれませんが、体力の無いヒナはかなり危険です。
喉のあたりが腫れはじめるので、餌が入りにくくなり、投薬の効果が出る前に栄養失調や脱水で死んでしまうことが多いです。
重篤な症状
重篤な症状になると、誰の目から見ても病気だと分かります。
初期~中期の症状を重くした症状に加え、トリコモナス原虫が皮下で増殖することで顔や喉元が腫れたり、潰瘍ができます。
餌の摂取は難しく、羽の生えそろっていないようなヒナの場合はここまでいくまでに死んでしまっていることが多いです。
病院に連れて行くだけで体へのストレスとなるため、かなり危険な状態になります。
治療法は?
まずは動物病院に連れて行きましょう。
鳥の扱いに慣れているところを選んでくださいね。
検査をして、トリコモナス症だと判明したら、抗生物質を液体でもらえると思うので、スポイトで与えましょう。抵抗力の残っている状態ならば1週間もすれば原虫はいなくなります。
まだいる場合は追加で投薬を行います。
家での世話はヒナの飼育そのもので、保温は30℃、底にキッチンペーパーを敷いたケースに入れ、清潔に保ちましょう。
体重の減りが怖いので、ヒナの場合は少量を数回に分けて与えてください。
トリコモナス症にならないためには?
一番多いのは、ヒナをお迎えした後の発症です。
・ヒナを購入した際は、まず鳥に詳しい動物病院でそのうの検査をしてもらう。
ことをおススメします。
症状がでていないうちに治療を始めるのが重要です。
また、育てているうちに思わぬ低温や、餌の食べの悪さでトリコモナス原虫が増える可能性もあります。
トリコモナス原虫は乾燥に弱いため、飼育道具を乾燥させ、清潔に保つことも重要です。
飼育用品を清潔にするのは他の病気を防ぐのにも役立ちます。
・餌入れ、水入れ、さし餌に使う道具はよく洗い、よく乾燥させる。
ヒナだけでなく、鳥をお迎えした時のストレスを減らすのも重要です。
・お迎えしてすぐに長時間遊んだり、放鳥しない。
手乗りでもらってきた場合でも、環境の変化のストレスというものは必ずあります。
まずはカゴの中に慣れてもらうことが大事ですね。
まとめ
いかがでしたか?
トリコモナスについて、先に知っておくと鳥をお迎えした時にいち早く変化に気づいてあげることができます。
ヒナの場合は環境温度30℃、餌は体重が順調に増えるようにしっかり与える、そしてさし餌が終わるまではあまり触らない、が基本ですが、それでも罹ってしまうことがあります。
何か少しでもいつもと違うところがみられたら、迷わず動物病院に連れて行くようにしてくださいね。
怖い病気、トリコモナスですが、予防と早めの発見で飼い主さんがしっかり鳥さんを守ってあげましょう!
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