鳥好きのみなさん、こんにちは!セネきちです。
今回は鳥を飼っている方にはぜひ気にしてほしい、「爪」のお話です。
人が伸びた爪を切るのと同じように、鳥も爪が伸びたら切ってやらねばなりません。
慣れないうちは動物病院やペットショップでやってもらってもいいのですが、お金も時間もかかるし、飼っている鳥に余計なストレスをかけることになります。
今回は爪切りが必要な理由からもしもの時のトラブルまで説明させていただきますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
鳥の爪を切る理由
鳥を初めて飼った方のために、そもそもなぜ爪を切らなくてはならないのかをまずお話させていただきますね。
野生の鳥は爪切りなんかしないよね、なぜ飼育する時はしなくてはならないの??
野生の鳥は自然の中で生きていく中で、いろんな木に止まりますし、運動量が飼育下とは全然違うので、自然に削れていくから必要ないんです。
飼育下では止まる場所といえば、決まった場所にまっすぐ配置された止まり木しかなく、運動量も野生の鳥とは全く違います。
爪が削れるよりも伸びるスピードのほうが早いので、放っておくと伸びすぎてしまうのです。
爪が伸びすぎるとなぜいけないの??
爪が伸びすぎると、都合の悪いことがいっぱいなんです。
爪を伸びたまま放っておくと、このような不都合があります。
・放っておくと半円をえがくように伸びるのでケージに引っかかってケガの原因になる。
・臆病な性格のコは引っかかった時にパニックをおこすことがある。
・手乗りの鳥ならば、伸びすぎた爪がふれあう時に刺さって飼い主さんが痛い思いをする。
・放鳥時にカーテンなどに引っかかる。
・尖った爪が鳥自身を傷付ける。
主にケガに関することが多いです。
こういった事態にならないために爪を切る必要があるのです。
爪切りのタイミングは?
爪切り、といっても最初はいつ切ればいいのか分かりませんね。
目安として、止まり木に止まった時に爪が浮いている場合や半円を描くくらい伸びていたら爪切りが必要です。
手にとまらせた時に痛いくらい尖っている場合も爪切りをしたほうがよいです。
爪は切らないでいると、血管部分も少しずつ伸びてしまい、切る時にすぐ血が出るようになってしまいます。
爪切りに慣れてもらうためにも、定期的に切る習慣をつけておくとよいですね。
鳥の爪をきる前にやること
では爪切りの手順を今から説明させていただきます。
まず爪切りにはいる前に大事なのが、準備です。
いきなり鳥を捕まえてパチパチ切ってはいけません。鳥がびっくりしますし、失敗した時の対処も難しくなります。
下のチェック項目を読んで、すべてクリアしていれば、自宅での爪切りができます。
鳥の状態は万全ですか?
爪切りというのは鳥にとって決して楽しいものではありません。
余計なストレスをかけないためにも、鳥の体調が悪い時、換羽の時期でピリピリしている時、発情中で気が荒くなっている時は避けたほうが無難です。
また、手乗りでも体を触られることを極端に嫌がるコは、まず触られることに鳴らしてからのほうがよいでしょう。
爪切りは体をしっかり保定します。
ただでさえ触られるのが苦手なのに、体をがっちり捕まれれば、飼い主さんのことが嫌いになってしまいます。
信頼関係を築いている最中ならば、動物病院やショップにやってもらうとよいでしょう。
部屋は閉め切っていますか?
先ほどもいいましたが爪切りは鳥にとってちょっぴり嫌なもの。
保定をしていても、抵抗されることがあります。
そんな時、手元から全力で逃げた鳥は、部屋が開いていればあっという間に逃げてしまいます。
特に一人で行う場合は、念のため、部屋は閉め切って爪切りをしましょう。
必要なものはそろっていますか?
鳥をカゴから出す前に、使うものを準備しておきましょう。
・爪切り
爪を切るのに使います。人間用でも切れますが、ペット用のほうが切りやすいです。鳥専用のものはほとんど無いので、小動物用で構いません。
・止血剤
血管を切ってしまうと血が出ます。よほど深く切らない限り、血はしばらくすれば止まりますが、止血剤があると早く止められるので安心です。止血剤よりは効果が劣るものの、小麦粉や片栗粉でも代用ができます。
・ごほうび用のおやつ
爪切りが終わってから与えれば、爪切り=おやつがもらえる!として覚えてもらえるので、準備しておきましょう。手から直接与えられる程度の量で構いません。
・バスタオル(大型鳥の場合のみ)
大型鳥は力が強く、顔から足元までがっちり固定する必要があります。タオルがあれば、目隠しになり、何をされているのか見られなくて済みますし、飼い主さんが噛まれるのも防ぐことができます。
ちなみに爪切り、止血剤はこのようなものが販売されていますよ。
爪切りの手順
準備が万端であれば、いよいよ爪切りです。
流れに沿って説明させていただきますね。
まずはしっかり保定をしよう
爪切りで一番大変なのは保定かもしれません。
インコを確実に体を固定することが早く、正確に爪切りを終わらせるポイントです。保定のやり方は小型インコ、文鳥ならこのような感じで行います。
頬の辺りをしっかり固定すれば、首が回って噛まれたり、手から抜け出たりするのを防ぐことができます。
注意するのは、絶対に喉や胸を押さえないこと。呼吸ができなくなって死んでしまいます!
大型鳥の場合は、できれば二人で爪切りを行いましょう。一人が保定する係です。
大型鳥は、できれば後ろ側からタオルをかぶせて素早く固定し、何をされているのか始終分からないようにできると良いです。
前からかぶせると、飼い主さんの顔、タオルの色など全て覚えてしまい、次に爪切りをする時にタオルを見ただけで逃げるようになることもあります。
大型鳥は頭の固定に加え、羽をたたんで体にぴったりくっつけます。
力が強いので、飼い主さんもがっちり抑える必要があります。
ゆるく抑えるとタオルが外れ、何をされているのか分かってしまい、パニックになった鳥に思いっきり噛まれるハメになります。
羽の部分も保定がきちんとできていないとタオルから力づくで出ようとして羽を傷める原因になります。
大型鳥も胸や喉を抑えてはいけませんが、それ以外の部分は暴れられないくらいの力で強く抑えても問題ありません。しっかりと保定をしてから爪切りをスタートしましょう!
爪を切ってみよう
保定ができたら爪切りです。
爪には血管が通っています。
透明な爪のコなら透けて血管が見えますが、見えていないところにも細い血管が続いています。いきなりギリギリを切るのではなく、端から少しずつチョンチョンと切っていきましょう。
血管の赤い部分が見えたらストップです。
もし余裕があれば、やすりをかけたり、尖った部分を丸く切っておくと手に止まられた時に痛くありません。
爪切り 小型~中型の鳥の場合
小型~中型の鳥(オカメインコくらいの大きさまで)であれば、爪は細いので比較的切りやすいです。
慣れれば一人でもできますが、ウロコインコ、オカメインコくらいのサイズになると片手での保定が難しいため、二人でできると安心です。
爪切りが終わったらすぐおやつをあげましょう。
爪切りが終わるとおやつ!と覚えてくれれば、次からやりやすくなります。
ちなみに爪が黒いタイプのコはどうするのか?というと、実は爪が黒いほうが慎重にできるので、あまり気にしなくても大丈夫です。
爪切り 大型鳥の場合
やや大きめの中型インコ(コガネメキシコ、シロハラインコなど)や大型のインコ、オウム、フクロウは保定から難しいので、安全のためにも二人で行うのが安心です。
気を付けるべきは、その独特の爪の形にもあります。
ほとんどが黒い爪で爪自体も太くて固い、更に断面はアーチ状になっています。
タイハクオウムやコンゴウインコくらいになると小動物用の爪切りではギリギリのサイズになってしまうほどにゴツい爪をしています。
そんな厄介な大型鳥の爪は、まずは少しずつバチバチとおおまかに切った後に、断面も丸みを帯びた形にできるように切り口を細かくきっていきます。
爪は外側が固く、内側は少し柔らかめです。爪切りで削りとるようにして切っていくと、いきなり血管を切る心配がありません。
大型鳥の爪切りで気を付けるのはもう一点あります。
あまりにも暴れたり、タオルが外れたりしたら、一旦爪切りを素早く隠し、鳥を放してやって、何事もなかったようにふるまいましょう。
おやつも忘れずに。
大型鳥は大変賢いため、一度嫌な思いをすると、それに関連するもの全てを記憶してしまいます。
彼らの人生は長いので、できるだけ家で切り続けられるように、毎回慎重に爪を切るようにしましょう。
また、止まり木に止まっている間におおまかに切ることができればそれでもオッケーです。
爪切りの手順はこのような流れになります。最初はとても大変だと思いますが、飼い主さんが慌ててしまうと鳥のほうもパニックを起こしやすくなります。慣れれば、優しく話しかけながらでもできるようになるので、まずは爪1本からでも始めてみましょう!
爪切りでのトラブル!出血した場合
爪切りをやってみたら、血が出た!!
この経験はほとんどの飼い主さんが経験することだと思います。
慌ててしまわないように、血が出た時に心配になるポイントをまとめました。
心配①血はどうやって止めたらいいの??
血はよほど深く切らない限り放っておいても止まるのですが、あちこち血がついてしまうので、クイックストップと呼ばれるペット用止血剤を使いましょう。
心配②鳥は血が出たら痛いの??
少し血が出るくらいでは、特に鳥は痛くありません。
実際、爪切り中に血が出ても鳥の様子に変化はありません。
ただし、血が出ることで飼い主さんがパニックになると、鳥のほうも暴れたり怖がります。
そういった様子を見て、「痛いに違いない!!」と思ってしまうこともあるようですね。
心配③血が出て、死んでしまわない??
爪切り中に出血多量で死んだという話は聞いたことがありません。
病気の鳥や高齢の鳥ならば、体力が無いので、すぐ止血したほうが良いですが、そうでない場合は普通に気をつけて切っていれば、死ぬほどの血が出るほどは切りすぎないものです。
心配④血が出るのがこわくて爪が切れない!!
爪を切らないでおくと、モノに引っかかってケガをするだけではなく、実は血管自体も少しずつ伸びてしまいます。怖くて切らないことで、どんどん切った時に血が出やすい状況になってしまうのです。
また、切らないでいると、ケージなどにひっかかって、爪が取れてしまうという事故も発生します。
そうすれば爪切りの時とは比べ物にならないくらい血が出ます。
血が出るのが怖い人ほど、定期的に切るのが安心ですよ!
どうしても爪が切れない時は・・・
爪切りのやり方を最初から説明させていただきましたが、どうしても切れない、という場合もあります。
・慣れていない鳥で保定どころか捕まえるのも難しい。
・一人暮らしで中型インコを飼っているので一緒に切れる人がいない。
・どうしても怖くて躊躇してしまう。
爪切りは自宅でできたほうがもちろん良いのですが、飼い主さんが悩んでしまうようなら、他の手を考えましょう。どうしてもできないことは悪いことではありません。
動物病院でやってもらう
お金は一番多くかかりますが、一番安心な方法です。
ついでに健康診断もできるので、一石二鳥ですね。
爪切りの際は鳥に強い病院で切ってもらうのがポイントです。
見分け方は鳥の扱い方。
鳥をたくさん診てきた先生はとてもスムーズに保定ができます。
できないようであれば、不安なのでやめておきましょう。
インコも入れるペット保険!資料請求はこちらペットショップでやってもらう
お金は動物病院よりはかかりませんが、上手く切ってくれる人がいるところか、専門店でお願いするようにしましょう。
下手なところだと、保定ができず店内に逃がしてしまったり、上手く切ってもらえないことがあります。
近くに鳥に強いショップがあれば安心ですね。
止まり木を爪が削れるタイプのものにする
止まり木を使って爪を削ることができる商品があるので、そういったものを使うのも手です。
これらは固い素材でできた止まり木や、止まり木にかぶせるタイプのやすりです。
この上を行き来することで、爪が削れていくわけですね。
まとめ
爪切りについてまとめてみましたが、いかがでしたか?
一番大事なのはまずは飼い主さんが冷静であることです。肩の力を抜いて、やってみましょう。
血が出ても大丈夫、止める方法もあるし、そうそう死ぬことはありません。
あとは血管の位置がつかめないうちは、少しずつ切ること。
慣れれば声をかけながら切ることができるようになりますよ!
よし、家で頑張ってみよう!!まずは保定をマスターするぞー!
爪切りはじめてのみなさん、頑張ってくださいね!
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