みなさんこんにちは!セネきちです。
今回は憧れの手乗りへの道!ヒナのお世話のやり方について、さし餌のやり方を中心に説明させていただきます!
鳥というのはヒナの頃から人の手で育てるととてもよく慣れます。
餌を作ってヒナに与えることを「さし餌」といいます。(他にも餌くれ、ヒナ餌などの言い方があります。)
「さし餌」には使用する道具によって4つのやり方があり、それぞれ説明させていただいているのですが、今回は第三回目です。
第三回目はシリンジを使った「中級者向け」のさし餌のやり方をご紹介いたしますよ!
シリンジとはこのようなものです。
チューブが付いていますが、今回はチューブを使わないさし餌のやり方です。
中級者向け、としましたがやり方自体は難しくなく、ほぼ全ての鳥のヒナに使えるやり方ですよ!覚えておくと便利です♪
ちなみに第一回目は文鳥のヒナに使える「育ての親」という道具を使用したさし餌のやり方、第二回目は初めてのインコの飼育に最適な「スプーン」を使ったさし餌のやり方を説明させていただきました♪
シリンジ(チューブ無し)を使ったさし餌で育てられる鳥
シリンジでのさし餌は文鳥から大型インコまですべての鳥に対応できるのが最大のメリットです。
さし餌の他にも、病気の鳥に薬を与える時にも便利なアイテムです。
シリンジでのさし餌は全ての鳥に対応はしていますが、最初はお迎えするところで与えている方法と同じやり方でさし餌をしましょう。やり方が急に変わるとヒナが食べ方が分からなくなり、餌を受け付けなくなってしまうことがあります。
ヒナをお迎えする前に準備しておくこと
飼うヒナの種類が決まっている場合は、飼育に使うものをできる限り先に揃えておきましょう。
詳しくはこちらを参考にしてくださいね。
インコのヒナ必要なものリスト
□幅30㎝くらいのケース(もしヒナが羽が全く生えていないくらい小さければ「ふご」も)
※中型インコの場合はもう少し大きめのケースを用意しましょう。
□床材
□ヒーター
□温度計(ケースの中に付けるものと餌の温度をはかるもの2つ)
□さし餌グッズ(シリンジ)
□餌(パウダーフード)
□体重計(キッチンスケールでOK)
□粟の穂、もしくはペレット(大人の餌を食べる練習に使います)
□皮付きのシード、もしくはペレット(一人餌に切り替わった後に食べる大人用の餌です)
□ケージ(鳥かごのこと)
□おやすみカバー(必要に応じて) ・・・など
元気なヒナを手に入れよう
さて、いよいよお迎えですが簡単にヒナのお迎えの時のポイントをご説明いたします。
ヒナのうちはまだ性格も性別もあまり分からないため、とにかく元気なコを選ぶようにしましょう。気に行ったコは店員さんに出してもらい、体におかしいところがないかも見てもらいましょう。
◎顔は汚れていないか?
→体調が悪く、餌を吐いてしまっていると顔は汚れています。
◎足の指は揃っているか?
→生きていくのに大きな問題は無いですが、鳥の飼育が初めての方は避けたほうが安心です。
◎お尻は汚れていないか?
→下痢をしていないかの確認です。
◎目はぱっちりとしていてきれいか?
→弱っているとくぼんで見えたり、目がしっかり開いていないことがあります。
◎同じケースの中に体調の悪いコはいないか?
→一羽でも病気のコがいれば感染している可能性が高いです。
元気なコを選んだら、店員さんに今使用している餌と、最後にさし餌をした時間を聞きましょう。
帰り道は寄り道せず、すぐに帰宅しましょう。
家に連れて帰ってきたらすること
まず帰宅したら、すぐにケースの中に入れ、保温を開始しましょう。30℃くらいになっているか確認してください。
ケースのレイアウトは下の「大人のインコになるためのステップ」を参考にしてください。
ヒナの餌の作り方と与え方
それでは、肝心の餌の与え方について説明させていただきます!
まず餌を与える前に注意するポイントがあります。
・餌を与える前に体重測定しましょう。
ヒナは毎日少しずつ増えていきます。餌を食べているかの確認にもなります。
・餌を与える前に、そのう(喉元の部分)を見て、前回の餌が消化されているか確認しましょう。
消化不良(食滞)をおこしていて、前回の餌がそのまま残っている時はさし餌をしてはいけません。
・さし餌に使う餌は基本的に毎回作るようにしましょう。
多めに作って余ることが多いのですが、さし餌に使う餌はお湯でふやかしてあり傷みやすいので保存は避けましょう。
・さし餌に使う道具は清潔第一です。使うたびによく洗い、消毒し、よく乾かしましょう。
(ただし、一部のプラスチック製のスプーンは熱湯をかけるとひび割れることがあります。)
インコのヒナは体調を崩しやすいです。これらのことを毎回必ず確認して健康を保ってあげましょう。
さし餌をする時間はいつ?
ヒナの餌って数時間おきでしょ?!夜中も起きなきゃだめ??
さし餌をする時間ですが、だいたい朝7時~夜6時頃までの、日の出から日の入りまでの明るい時間帯の中で与えるのがおススメです。
夜はヒナも寝ますので、18時には暗くして寝かせてあげましょう。
夜中のさし餌は要りません。
飼い主さんがどうしてもこの時間内であげられなければ、時間は多少前後しても構いません。
餌の準備をしよう
さていよいよ餌の準備です!
ヒナをケースから出すのはまだです。体温を下げないためにも、餌を与えるタイミングまで出さないで待っていてもらいましょう。
①餌
シリンジで与える場合はパウダーフードのみを使います。
②シリンジ
通常手に入りやすいのはスドーのフードポンプです。
チューブが2種類付いていますが、今回のさし餌では使用しません。
③作った餌を入れる器とかき混ぜ用のスプーン
耐熱性のコップや小さめの哺乳瓶などが使えます。
餌をよくかき混ぜるために小さめのスプーンかマドラーも用意しましょう。
④温度計
さし餌の温度を測るのに使います。餌の温度は40℃前後です。
普通のキッチン用で構いませんが素早く温度を測ることのできるデジタル式がおススメです。
⑤60℃くらいのお湯
パウダーフードを溶く、餌の濃度を調節する、餌の入った器を湯煎で温める、などに使用します。
餌の温めに電子レンジは使用しません。
⑥清潔なタオル
ヒナを上にのせたり、さし餌後に汚れたくちばしを拭いたりするのに使います。
全て揃ったら、次は餌を作ってみましょう!
ヒナ用の餌を作ろう
シリンジで与える餌は作り方がとてもシンプルです!
イラスト付きで順番に説明させていただきますので、ゆっくりやってみてくださいね。
①パウダーフードを器に入れ、少しずつお湯を加えながらよく混ぜます。
※濃度やパウダーの量は、使用する餌や鳥の種類、ヒナの成長具合によって変わります。
できれば譲り受ける先で与えていた餌の濃度も聞いておいて、同じような濃度にしましょう。
目安としてはコーンポタージュのような感じのとろみのあるです。
濃度が薄すぎると栄養が足らなくなり、濃すぎるとシリンジで与えづらくなったり、消化しづらくなります。
ヒナの状態を見ながら毎回調節してあげましょう。
②よく混ぜた餌が40℃になったらさし餌用の餌の完成です。
冷めないうちにシリンジで吸い上げましょう。大型の鳥や、複数ヒナがいる場合は、作った餌が冷めないように湯煎で温められるようにしておきましょう。
ちなみにペットショップのように複数のヒナがいる場合は、菌の感染をなくすためにシリンジをそれぞれ用意するのが安心ですよ!
さし餌してみよう
作った餌をさっそく与えてみましょう。
シリンジでのさし餌はイラストのように清潔なタオルなどの上にのせて行います。
餌を作ってからケースから出しましょう。
③ヒナをケースから取り出し、清潔なタオルの上に置いてシリンジの餌を与えます。
ヒナが動かないように、軽く包むようにして押さえ、クチバシの横からゆっくり流しこむように与えます。
飼い主さんからみてクチバシの右側からシリンジの先を差し込むとやりやすいですよ。インコが飲むスピードに合わせましょう。
どのくらい餌を与えれば良い?
さし餌ってどれくらいあげればいいのかな・・・?口から溢れたらどうしよう??
初めてインコのヒナに餌を与えてみると、その食欲にびっくりするかもしれません。
シリンジでのさし餌は飼い主さんが調節できますが、欲しがるがままに与えているとお腹がパンパンになって、餌があふれてしまいます。餌が気管に入るととても危険です・・・
食べ過ぎはNG!です。空腹よりも食べさせすぎるほうがヒナにとって良くないのです。
慣れないうちは、インコの喉元にある「そのう」という部分を見て満腹具合を見ましょう。
↑これはオカメインコのヒナですが、胸のあたりにぽっこり見える肌色の部分がそのうです。
この写真ではやや膨らんでいるので餌をもらった後ですね。
さし餌はヒナのそのうが軽く膨らむくらいまで与えましょう。2~3時間で消化できていればOKです。
さし餌が終わったら・・・
ヒナのそのうがふくらんだら餌の時間は終わりです。
ヒナの口元を拭いて、付いた餌をぬぐってあげましょう。
汚れたままにしておくと、乾いて取れなくなり、時間が経った餌が羽繕いの時口に入ることで病気の原因になりますし、見た目も悪いです。
さし餌終了後はきれいな状態にしてからケースに戻すようにしましょう。
ヒナをケースに戻したら、使った道具をきれいに洗い、よく乾かしましょう。
これでさし餌は終了です。いかがでしたか?最初は緊張するものですが、慣れれば手際よく進められるようになります。
焦らずゆっくりやります!!
大人のインコになるためのステップ
ヒナの餌のやり方が分かったから、しばらく同じことを続けてやればいいんだね!
いえいえ、実はずっと同じように餌を与えるは意外に短い期間だけなんです。
ヒナはどんどん大きくなります。こちらもそれに合わせてヒナの餌の回数を減らしたりケースから鳥かご(ケージ)に移す用意をしなくてはなりません。
ケージのレイアウトも少しずつ変えていき、一人餌になるころにやっと大人と同じ飼い方ができるようになるのです。
セキセイインコ、コザクラインコ、ボタンインコなどの小型インコのさし餌の切り替え方はこちらの記事内の「大人のインコになるためのステップ」を参考にしてくださいね。
オカメインコ、ウロコインコなどの中型インコのさし餌の切り替え方はこちらの記事内の「大人のインコになるためのステップ」を参考にしてくださいね。
ヒナの飼育 トラブルがおきたら・・・?
ヒナというのはとても繊細です。
飼い主さんが気を付けていてもトラブルが起こることはよくあります。
特に体調の変化に関してはおかしいな?と感じた時点ですぐ対処するようにしましょう。
・排泄物の色が黒い、べちゃべちゃしている、酸っぱい臭いがする
・まだ小さなヒナなのに餌を欲しがらず、目をつむってふくらんでいる。
・ケースの壁に餌がついている、顔が汚れているなど嘔吐のあとがある。
・口の中がねばついており、育ての親を使うと糸を引いたような感じになる。
・クチバシが固くなり、開かなくなる。
これらの状態は悪い菌が体内で繁殖してしまっている可能性が高いです。
鳥を診ることのできる病院に早急に連れて行く必要があります。
連れて行く時は、ホッカイロなどで保温をして、排泄物がわかるように、ケースの下にはキッチンペーパーを敷きましょう。
まとめ
いかがでしたか?ヒナの飼い方第3回目は中級者向けのインコのヒナの育て方を説明させていただきました。
シリンジって難しそうだと思ったけど、やりやすいね!
気を付けるのは、
・ケースの温度は30℃、餌の温度は40℃
・羽が生えそろうまでは触れ合いは最低限に!
・大きくなってきた頃が一番難しい。体重管理を忘れずに!
・・・です!
かわいい手乗りインコのために頑張りましょう!
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