インコ好きのみなさん、こんにちは。セネきちです!
今回は、鳥の発情に関して、原因や対策をお話しようと思います。
インコや文鳥など、鳥を飼っている方には知っておいてほしいことなのですが、彼らはペアで飼育していなくても発情します。
その発情の何が良くないのかというと、発情は長引くと体に負担がかかるということなのです。
発情には原因と、分かりやすい行動があり、また、やめさせるための対策方法もあります。
ぜひ、飼っている鳥のために、発情について、学んでみましょう。
発情しているとはどんな状態??
鳥を飼い始めて日が浅い方は発情、と言われてもピンと来ないかもしれません。
まずは発情とはどのような状態のことをいうのか、みていきましょう。
発情のサインに加え、その行動がなぜ困るのかも調べてみました。
実はもう飼育しているコに発情の行動が出ているかもしれません。
普段の仕草を思い浮かべながら読んでみてください。
発情のサイン①吐き戻し
これは主にオスにみられる行動です。
インコは恋の相手に餌をプレゼントする習性を持つ種類が多いです。
オエオエと餌を吐き戻して飼い主さんの服に擦り付けたり、お気に入りのおもちゃに付けていたら発情のサインです。
吐き戻しで困ることは?
餌を吐き戻すことで困るのは、こんな点です。
・吐き戻した餌がケージやおもちゃについたままになり、不衛生になる。
・吐いた餌をまた食べてしまうとカンジダなどの病気にかかることがある。
・餌を吐いているぶんだけ栄養がとれていないので体重が減る。
・一緒に飼っている鳥に吐き戻しを与えていれば、与えられた側の鳥の肥満に繋がる。
特に衛生面で問題がありますね。
発情のサイン②お尻を擦り付ける
これもオスにみられる行動です。
交尾の時、オスはメスの背中の上に乗るようなポーズをとり、お尻を擦り付けます。
お気に入りのおもちゃや、飼い主さんの手の甲、指などで行うこともあります。
お尻を擦り付けることで困ることは?
頻繁にお尻を擦り付け続けた場合、総排泄口が擦り切れ、出血することがあります。
そうなると細菌感染を引き起こす恐れがあります。
また、発情時は精巣が大きくなっているため、その状態が続くことで精巣肥大となり、神経を圧迫して足が麻痺してしまうこともあります。
発情のサイン③背中を反らし、尾を上げる
これはメスにみられる行動です。
交尾の時、メスは背中の上にオスを乗せるようなポーズをとります。
上から見た時の姿から、「飛行機のポーズ」とも呼ばれます。
飼い主さんが背中をなでるとこのポーズをとる時は発情しているサインです。
背中を反らすポーズで困ることは?
このポーズをとることで直接病気の原因にはなりませんが、背骨には負担がかかっています。
また、このポーズは見た目が面白いため、発情のサインだと知らない飼い主さんが何度も背中をなでてしまうことがあります。
なでればなでるほど発情を促進するので、メスの背中はあまりなでないようにしたいものです。
発情のサイン④巣を作ろうとする
ケージの底に敷いてある紙を引き出してちぎったり集めたりして巣を作るような行動がみられたら発情のサインです。
コザクラインコは特にこの行動をとることが多く、腰にちぎった紙をさして歩くこともあります。
発情とは関係なく単なる遊びとしてやることも多いので、他の発情のサインと同時に起こる、頻繁に行っている、というわけでなければ放っておいても構いません。
巣を作ろうとすることで困ることは?
こちらも直接困ることはありませんが、あえて言うなら、ケージが汚れる、放鳥中に部屋に置いてある本や書類がきれいに噛み切られてしまうことくらいでしょうか。
発情のサイン⑤卵を産む
これもメスにみられる行動です。
一羽で飼育しているのに卵を産んだ場合は発情しているサインです。
発情すると卵を産み、それが何日か続くことがありますが、無精卵なので当然孵ることはありません。
たまに温めるコもいます。
卵を産むと困ることは?
数ある発情のサインの中でも最も飼い主さんを困らせるのがこの卵問題です。
通常の産卵とは違い、何の準備も無しに卵が体内で作られると、まずカルシウムが卵の殻をつくるのに使われてしまうため、インコ自身がカルシウム不足に陥ります。
卵は普通2~5個時間をおいて産み続けることが多いのですが、インコ自身がカルシウム不足である場合、作られた卵は不完全なものとなり、卵管をつまらせたり(卵詰まり)、中で割れてしまうといった命に関わる事態になります。卵を産む際に総排泄口脱を引き起こすことも。
他にも卵を産むことに関する病気がたくさんあります。
卵管、卵巣疾患、腹膜炎、腹壁ヘルニア、卵管脱、肝機能障害、低カルシウム血症など。
もしインコが卵を産んだら、早急に対策を練らなくてはなりません。
発情のサイン⑥気が荒くなる
オスメス共通の発情のサインです。
別の原因で気が荒くなっている可能性もありますが、飼育環境も変えていないし、接し方も変えていないのに急に噛むようになったり怒りっぽくなったら発情している可能性があります。
気が荒くなって困ることは?
気が荒くなると、普段大人しいコでも噛むことがあるため、飼い主さんがケガをしてしまうことがあります。
子供のいる家庭では特に注意が必要です。
この気が荒くなる点は完全になくすことは難しいので、気が荒くなってきたな、と思ったらオモチャを与えたり、水浴びさせたりと気を紛らわしてあげるのが良いでしょう。
これら6つが主な発情のサインです。
ちなみに異性の行動をとることもありますよ。
インコは面白い生き物です。
発情ひとつとっても、本来その性別ではやるはずのない行動をとることもあります。
別々で飼育している鳥のマネをする場合もあれば、1羽でも異性の行動をとることがあります。
発情の仕草を雌雄の見分けの判断材料にすることがあるのですが、この「異性の行動をまねる」ことをされると判断がつかなくなります。
・メスだけど吐き戻しをしている。(ヒナを育てているつもり?)
・メス2羽で飼育していたら、1羽がもう1羽の背中に乗ろうとしていた。
・コザクラインコが腰に紙を挟んでいるのでメスだと思ったらオスだった。
このようなことがあります。
性別が間違っていた!とペットショップに怒鳴り込みに来る方もいますが、性別の確定ができるのはメスが卵を産む、くらいだと思っておきましょう。
発情の原因と対策
発情ってどんな状態かは分かったけど、結局原因は何??
そうです。
原因が分からなければ発情した状態をやめさせることはできませんね。次は発情してしまう原因をみていきましょう。
発情の原因①発情を促すモノがある
インコは1匹で飼っていても発情するのですが、その原因のひとつが、「発情の対象となるモノ」の存在です。
多いのは顔のついたオモチャや鏡です。
鏡はスズや大きなスプーンなど顔がうつるものも発情の対象になることがあります。
対策
これは簡単です。
対象となるモノを取り除けば解決します。
鏡や顔のついているオモチャを使っているならば、かじるタイプのオモチャやブランコに替えてあげましょう。
発情の原因②巣を連想させるものを置いている
インコを飼育する時、古い飼育書を見たりすると、インコの飼育=巣を入れましょうということが書いてあるものがあります。
確かに寝床になりますし、インコも巣に入ることを好むコが多いです。
しかし、自然界では実は巣というものは繁殖の時だけに使うものなんです。
なので飼育下で巣を用意するということは、それだけで発情を促すことになってしまうことがあるのです。
対策
こちらも対策は簡単です。
巣を取り外してしまえばよいのです。
ただし、中には巣ではなくても自分で勝手に巣だと思い込んで全然違うものに発情するコがいるので、普段の行動をよく観察して、巣を連想させるものを置かないようにしましょう。
例えばこのようなものを巣にすることが多いです。
・深めの餌入れの中
・ワイシャツのポケット、フードの中
・市販の袋状の寝床
・ティッシュケースの中
想像力豊かなコだと、何もないケージの隅を巣ととらえて卵を産むこともあります。そういった場合は、その場所にオモチャや水入れを置くなどして落ち着かせないようにしましょう。
発情の原因③高カロリーの餌を与えている
繁殖させるわけでもないのにカロリーの高い食事をさせていると、これまた発情の原因になってしまいます。
通常の餌に、ヒマワリなどを追加であげているとカロリーオーバーになってしまいます。
健康にもよくありませんので、餌に加えるのはやめ、スキンシップ時のおやつ程度に留めておきましょう。
対策
まずシード食の場合はペレット食に替えてみるのがおススメです。
カロリーのコントロールだけでなく、栄養効果も期待できます。
また既にペレット食なのに発情している場合は、低カロリーのものに替えてみましょう。
発情の原因④過度なスキンシップをとっている
これは飼い主さんが原因となるのですが、インコとのスキンシップが強すぎると発情を促すことになってしまうことがあります。
・常時一緒にいる
・キスをする
・背中をなでる
・お尻を擦り付けられてもそのままにしている
飼い主さんがよかれと思ってやってしまっていることが多いです。
インコも喜んでやりますし、幸せそうですが、発情のことを考えると複雑な気持ちになります・・・。
対策
心が痛むかもしれませんが、発情を促すようなスキンシップはやめましょう。
キスは飼い主さん側からも愛のアピールをしていることになるので、発情を促しますし、衛生面でもよくありません。
常時一緒にいることやキスは飼い主さん側からやめることができますが、お尻をすりつけるのはインコがやってくることなので防ぐのが難しいです。
もしインコが飼い主さんの手などでお尻を擦り付け始めたら、無言でケージに戻してください。
ダメだと声をかけたり、手で払いのけるよりも効果的です。
鳥は愛の深い生き物で、好きな相手に猛烈にアピールします。鳥の愛は深いです。
あくまでも恋人ではなくお友達でいられる関係でいましょう。
発情の原因⑤(メスの場合のみ)卵をすぐに取り除いている
メスは発情すると巣がなくても餌入れやケージの隅で産みます。
この時、繁殖を考えていなければすぐに卵を取り除いてしまう方が多いと思いますが、この行為によって、よりいっそう卵を産むようになってしまうコもいるのです。
鳥は卵を数個産みますが、最初に産んだ卵を取り除いてしまうと、卵の数がある程度揃うまで産まなければ、と思うようなのです。
発情を促すのとは少し違いますが、卵をどんどん取ってしまうと、発情で最も厄介な問題である「卵を産む」のをやめさせることができなくなるのです。
対策
そのような卵を続けて産むタイプのコには擬卵(偽卵ともいう。読み方:ぎらん)を使用します。
最初の1個を産んだら、人の手で卵を足していくのです。
そうすれば数の揃った卵を見て、安心し、それ以上産むのをやめる、というわけです。
もし温める様子があれば10日ほど温めさせてから一気に全て取り除いてください。
販売されている偽卵の種類が少ないので、特定の鳥にしか使えない方法ではありますが、産み続けるタイプのコにはぜひおススメしたい方法です。
卵に関係する疾患は緊急を要するものが多いので、すぐに保温して動物病院に連れて行きましょう。
発情の原因⑥起きている時間が長すぎる
野生での繁殖時期は暖かい時期、というのは既にお話させていただいたとおりですが、暖かい時期を連想させるのは温度だけではありません。
日照時間も気にする必要があります。
春や夏は太陽が昇っている時間が長いですよね。
飼育下では夜いつまでも明るくしていると似たような状態になり、発情を促す原因になります。
一般的には13時間以上起きていると発情を促すといわれています。
対策
インコを飼う時は、飼い主が寝るまで明るくしておくのではなく、おやすみカバーを使用するなどして遅くとも20時くらいまでにはケージの中を暗くしてやるようにしましょう。
こういったカバーが売られています。ケージサイズに合わせて選びましょう。
一番の理想は自然に近い生活をさせてあげることです。
外の日の出、日の入りに合わせることができればもっと良いですね。
ただし、飼い主さんが仕事などで時間が合わせられない場合は、多少時間をずらしても構いません。
早く寝かせなきゃ!という思いから、スキンシップをとらずに1日を終えることは発情を起こすよりはるかにかわいそうなことです。
発情の原因⑦保温しすぎている
基本的に鳥は暖かいほうが好きだし、保温しておけば安心!
・・・ですが、冬を越した経験のある成鳥なのに、飼い主の心配のあまり年中ケージ内が30℃近くあるぽかぽか状態になっていたりすると発情を促す原因のひとつになってしまいます。
野生下でも繁殖の時期というのは気候の穏やかな暖かい時期を選ぶ鳥がほとんどです。
ツバメなんかも春から初夏にかけて巣をつくり、ヒナを育てますよね。
もうヒナではないならば、暖かくなりすぎないようにしてあげましょう。
対策
まずは自分の飼育しているコの適温を見極めましょう。24℃前後あればだいたいの鳥にちょうど良い室温です。
隙間風がなければもっと低くても大丈夫な鳥も多いです。
ケージの中、部屋の壁に温度計を設置して、暖かくなりすぎていないか確認しましょう。
ただし季節の変わり目だけは要注意、急激に下がると体調を崩しますので毎日しっかり様子をみてあげましょう。
発情の原因⑧静かすぎる環境で飼育している
一般的にペットのケージは静かで人があまり行き来しないところに置きましょう、とされています。
ストレスを与えないためには大事なことですね。
しかし、あまりに静かで落ち着く環境だと、それが発情に結びつくことがあるのです。
野生では巣は外敵に見つかりにくく、落ち着く場所に作るので、そういった習性が残っているのかもしれません。
対策
この対策はケージの場所を移すだけで済みますが、まずは他の対策を全てやってみてから実施してみると良いでしょう。
原因のひとつではありますが、これだけが原因になることはあまりありません。
落ち着く環境もいいですが、適度な変化を与えることも大切なので、時々ケージの向きを変える、おもちゃを変えるなどの変化をもたせるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は鳥飼いさんの悩みのタネ、「発情」についてお話させていただきました。
基本的には夢中になっている対象を取り除いたり、規則正しい生活をさせることによって発情は防ぐことができます。
もし、このどの方法を試してみても発情が止まらない場合は、ホルモンの治療のできるくらい鳥に詳しい動物病院に相談してください。
発情は続いてしまえば寿命を縮める大きな原因になってしまいます。
また、メスの場合、オスよりも格段に緊急性、重大性の高い病気になります。
お尻が膨らんでいて、元気がない、じっとしている、羽を膨らませている場合は卵を詰まらせている可能性が高いので、保温して動物病院に連れていきましょう。
あとは、冬など温度の低い状況だと卵が詰まりやすくなるので、秋頃からは特に発情させないよう注意しましょう。
発情はある程度飼い主さんの意識でコントロールできるんだね、「知っておく」ことが大事だね!
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